今日のホニャララ  by HICKEY

HICKEY 

浅く広い好奇心から見つけた、ジャンル問わずの「モノ」「コト」を自分なりの解釈で紹介していきます。

ココから誰かの未来のお気に入りが見つかりますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<プロフィール>

猫・植物・本・音楽を愛する1児の母。

オモチャとゲームは買わないけれど、本は漫画以外なら何冊でも購入OKという教育方針の中で育ち、本の世界から知った何事にも興味を広げるように。

ただし飽きっぽいので、浅く広く緩くゆるーく。

幼少期からの落ち着く匂いは図書館・図書室と墨の匂いで、新しいモノより古いモノを好む。

建築を学んで職業とした後、紆余曲折経て現在は他業界で働く主婦。

人付き合いは深く狭くを好み、人見知りのあがり症。

故に挙動不審で要らぬことを話しがちだけれど、文章だったらちょっと饒舌。

  

自閉症スペクトラムへの扉 by HICKEY 第5回

 

終わりが見えないトンネルの中にいるような状況が続いています。

澄んだ青空。桜の開花。この春はいつもよりも自然の美しさに癒されますね。

不安な日々ですが、皆さまお気をつけてお過ごし下さい。

 

突然ですが、4月2日は国連が定めた『世界自閉症啓発デー』だとご存知ですか?

自閉症に関する理解を深め、自閉症のある人を含めた、すべての人が過ごしやすい世界を実現していくための日です。

 

1月のある寒い朝の出来事です。

通勤電車から降りてふと横に目をやると、隣の車両から裸足の男の子が降りてきました。

「裸足?!」と驚いたのは私だけではなかったようで、振り返る人達。でもよく見ると、手に男の子の靴を持ったお母さんがすぐ側にいて、男の子は楽しそうに歩いています。

「もしかしたら発達障害や感覚過敏があって、何か裸足で歩かせるような事情があるのかもしれないな。」と、心配する状況ではないだろうと察した次の瞬間、「裸足なんて何を考えているんだ!」と男性が怒鳴って去って行きました。

言われ慣れたような諦めの表情を見せ、目に涙を溜めるお母さん。意に介さず楽しそうな男の子。

その光景を見て胸が痛くなり、「声を掛けようか・・・」と迷っているうちに、その親子は行ってしまいました。

 

 ケースは違えど、他にも似た様な場面に遭遇した事があります。

その度に思うのです。自分には何ができたのだろうかと。

 

最近は子どもにも大人のような「規律」や「自制」を求められる事が増えてきました。

勿論、子どもであってもルールは必要。でも、そのレベルが年々高まっているように感じませんか?

世の中のその流れは、子育て中の母にとってかなりのストレスになるのですが、「規律」「自制」が苦手な発達障害のお子さんを育てるお母さん達は、更にストレスフルである事は想像に難くありません。

だからこそ、困っている姿を見ると「何か出来ることはないのか?」と考えるのですが、これがなかなか難しい。その子の個性や状況に合ったものでなければ、差し伸べた手が逆効果になってしまうこともあるからです。

 

では、周りができる事は何なのか?それは「知る」「見守る」事なのかもしれません。

でも身近に当事者がいなければ、その種の本を手に取ったり、知ろうとする機会は少ないのが現実。

ということで、今回は私が『アート』という違う入口から偶然知った、自閉症スペクトラム関連の本を3冊ご紹介します。

 

 1.「すずちゃんののうみそ」 文:竹山美奈子 絵:三木葉苗 監修:宇野洋太(岩崎書店)

 

 

出会いはこの1枚の絵からでした。

「なんて美しい配色と、優しい絵なのだろう。」と心惹かれたのがきっかけです。

 

自閉症スペクトラム(以下ASD)のすずちゃんのお母様・竹山美奈子さん(blog https://takesuzu.exblog.jp  Instagram @unjour.m )が、保育園卒園前に先生とお友達に向けて制作された紙芝居。子供でも理解できる言葉で「ASDとは?」を教えてくれます。紙芝居が評判を呼び絵本となり、日本のみならず、他国でも出版されています。

 

色鉛筆でひと線ひと線丁寧に描かれたことがわかる、三木さんの絵から溢れる優しさ。

そして子供達の何とも言えない魅力的な表情と、構図やアングルの妙。絵を見るだけでもページを開きたくなる1冊です。

 

※写真は紙芝居版の絵になります。絵本版には医学監修が入り、最新の学説に沿って青い丸の位置が変わっています。

 

 

2.「おとひろい」「うたうたい」 作:にしむらあきこ(アトリエ紙と青 オリジナル和綴じ製本)

 

 

 

和紙造形作家のにしむらあきこさん。(HP https://www.paper-blue.com  Instagram @paper_and_blue,@aonokuni)

和紙造形という工芸に取り組むと同時に、言葉も紡いで作品にされています。

彼女の作品との出逢いは「オノマトペのうた」という作品。まだ娘が小さく、慣れない育児に疲弊していた頃に訪れたクラフトイベントで、陽だまりのような光を含んだ彼女の作品に吸い寄せられました。

日頃シャープなものを好む私は、実は普段は手に取らなかったかもしれない彼女の作風。正に「出逢ってしまった」というヤツ。

光を通さない作品でも、そこに柔らかな光がある。その光は単に色彩のマジックなのではなく、たしかにそこに内包されているのです。それが彼女の作品の最大の魅力だと思います。

ASDの息子さんを子育て中だと知ったのは、後のことになります。

「おとひろい」は言葉をもたない子どもから見える世界を。

「うたうたい」はそれを見つめる母親のお話です。

一見重いテーマだけれど、違う境遇の人の心にもスッと入る不思議な魅力があるこの本。それはきっと、作品・言葉の双方から慈愛と希望を感じるから。

一般の本屋さんではお取り扱いがありませんが、イベントやHPでの販売他に、東村山市中央図書館や千葉県浦安市の猫実珈琲店さん、東京都東村山市百才内の紙と青(にしむらあきこさんアトリエ)で手に取っていただけます。

 

3.「dear my sister」 文:三木 葉苗 絵:三木 咲良 発行者:杉山 聡(Bonami)

こちらは「いつか手にしたい!」と、思い続けている1冊です。

「すずちゃんののうみそ」の絵を担当されている三木葉苗さん所属のBonami(HP http://atelierbonami.com  Instagram @hanaesatoshi)は、活版印刷と手製本つくりのアトリエです。Bonamiメンバーである三木さんの妹・咲良さんはASDです。

 

見てください。この咲良さんの美しいドローイング。右の写真はスタンプです。

これだけでも手に取ってみたくなりませんか?思わず声をあげるほど、一瞬で心を奪われました。

咲良さんの絵に、活版印刷の懐かしくあたたかな文字が加わり、丁寧に作られた手作業の本。作業の様子はこちらです。→ http://atelierbonami.com/?p=2777

「妹の描く水玉は、鮮やかに、妹の心のありかを教えてくれる。 

私はただ、それを見逃さないように生きていたい。

それが彼女の姉として生まれた、私の幸せだからだ」

 

この美しい本を手にとって、咲良さんの心の中を覗いてみたいです。

一般の本屋さんでのお取り扱いはありませんが、BonamiさんのHPに販売さてれています。

 

ASDを知ろう!と気構えず、アートブックを見る感覚で気軽にASDへの扉を開けてみて下さいね。

最後ににしむらあきこさんに質問してみました。

……………………

*ASDの子を育てる母として、周囲に伝えたい事や求めることはありますか?

障害を持っているからといって、あれして欲しい、これして欲しい、とこちらから求めるばかりでは、結局自分で線を引いているのと同じことだと常々思っています。

もちろん彼らをこちら側に引き寄せて生活をさせているので、その分の思いやりや気遣いは必要ですが、過剰なものではなく、ただ普通に、一緒にいてくれたら嬉しいなぁと思います。

なんだか不思議なしぐさや行動、言葉が話せずキーキー叫んだり、みんなと同じように遊べなかったり。

知的な遅れのないタイプなら、いわゆる空気が読めない発言で人に嫌な思いをさせたり、こだわりが強すぎて変人扱い。

彼らにも私たちと同じように哀しみがあって、喜びがあって…わかっていても、彼らの言動はあまりにも違うことが多くて戸惑います。

その戸惑いの向こう側を、ちょっと勇気を出して覗いてみて欲しいのです。

勇気を出した向こう側には、きっとあなたにとっても面白い世界が待っています。

 

……………………

 

発達障害は外見から障害の有無がわかりにくい為、「赤いヘルプマーク」(赤地に白の十字とハートのマークのタグ)を付けている方もいらっしゃいます。何かのきっかけで手助けを迷った方は、そこを確認するのも1つの方法です。

「世界自閉症啓発デー」のテーマカラーは青。4月2日は東京タワーがブルーのライトアップになるので、見る事が出来る方は是非。

※本の写真掲載、HPからの引用にあたり、竹山美奈子さん・にしむらあきこさん・三木花苗さんにご承諾をいただいております

 

 

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本を飾ろう by HICKEY 第4回

早いもので、今年もあと数日ですね。

ハロウィン、クリスマス、お正月。

イベント続きで慌ただしかった後半戦ですが、お正月だけでものんびり過ごしたいものです。

 

突然ですが、音楽は配信派ですか?CDやレコード派ですか?

配信サービスが出始めた頃に好きなアーティストが聴けなかったこともあり、私はCDレコード派でした。

最近久々にチェックしてみたところ、最近は結構マニアックなアーティストまで網羅されている事に気がつき使ってみたら、まぁ!便利。

履歴からコレ好みじゃない?と紹介された曲から新しい出会いもあるし、定額聴き放題は魅力的。

レコードに関してはまた違った魅力があるので聴き続けるとは思うけれど、CDは購入が減るかもしれないなと、今更ながら少し時代に追いつきつつある昭和世代です。

本を取り巻く状況も同じく電子化が進み、読書が好きな人も「本」という形態で購入する人は減りつつあるとか。

でも私は音楽は移行できても、本はどうも移行できる気がしない。電子画面だと内容が頭に入ってこないし、本には「所有する喜び」も求めてしまうからだ。

装丁・手触り・匂い・・・。本には「雑貨的」な要素がある。

どんなに電子化が進んでも、かつてあったMDや、これからCDが歩むであろう道を本が辿る事はないだろう。レコードやカセットテープが何だかんだと無くならないのも、雑貨的要素が見え隠れするからだと思う。

という事で、今回は本を雑貨として捉えて「飾る」というテーマです。

 

 本を飾ると言えば、手っ取り早いのは立て掛ける。

マガジンラックでも表紙を見せるタイプのものがあるように、デザインが1番考えられている表紙を見せると簡単に雰囲気が作りやすい。こういう飾り方は写真集や画集がハマります。

私は本棚を見られるのは自分が剥き出しのようで恥ずかしいと思ってしまうので、

飾りながら他の本を隠すという意味もあったりします。

次のこの飾り方で使った本は、中身度外視で飾る目的でのみ購入した本。

こういう使い方は、外国語表記の小さな古本が使い勝手がいい。

写真では重ねる本の大きさを変えているけれど、あえて同じサイズでピシッと揃えるのもアリ。

重ね方も向きを揃えずにあえて不揃いに何冊も重ねるのも熟れた感じでいいかも。

好みの表紙の雰囲気や背表紙の文字。

本同士の組み合わせでインテリアを考える。まさに雑貨です。

 

次は飾るツールの紹介。ここ数年の私のお気に入りは、壁を使う方法です。

 

これはChikuniさんの「Book on the wall」という商品。

国産の木材を使い、単体でも飾りたくなるような美しいフォルムは然る事ながら

好きなページを開いて壁に飾れる仕組みが好きです。

飾るページを選べるという事は、装丁等のデザイン的な要素を飾る事以外に「言葉を飾る」という選択肢も増えるのが嬉しい。

壁という場所を選ぶ事で、それはまるで現代版の「掛け軸」になり、季節や気分、来客で飾る絵や言葉を選びたくなります。

今回の写真は先日のクリスマスに合わせて飾っていたもの。本以外のものも少し乗せてクリスマス感を出してみました。

私が購入当初は1色しかなかったけれど、今は何色か展開されています。S、Mサイズあり。

 

次は平置きで飾るタイプで、TENTの「BOOK on BOOK」

 これは本を広げた状態で上から重ねて押さえるタイプ。

5mmのアクリルが開いた本の形になっています。

これのタイプの良い所は、本のサイズを選ばないところ。

前出の「Book on the wall」は壁に飾るという構造上、飾る本のサイズや重量バランスを選ぶけれど、

これは平置きだから文庫本から大型本までOK。

 

ただ重量が220gとそれ程ではないので、閉じる力が強めの厚い本だと本体が少し浮いてしまいます。

見た目の美しさを考えたら戻りの弱い本が向いているかも。

 

 今回紹介するにあたり調べてみたら、料理中に料理本を開いておいたり、

資料本を見ながら執筆なんて時に実用的に利用する使い方もあるようです。

お菓子をつまみながら読書する時に押さえに使うと、お菓子が本にかからないという使い方もあり、思わずクスッとしました。

今度試してみようかしら。

 

本好きな方へのプレゼントにも。実際に私もこちらはプレゼントでいただきました。

双方少々お値段はしますが、手作業で作られているお品ということと、インテリアのアクセントとして十分な存在感を示してくれることを考えると、思い切って取り入れてみる価値アリなお品です。

 

 写真はありませんが、開いて飾るには他にもnakanoのシンプルでお手頃なページオープナー(このようなタイプはページに痕が付きやすいので、薄い本向き)や、色々種類が出ている書見台を利用したり、好きなペーパーウエイトで押さえておくというのもアリです。

 

皆さんの本棚から。行きつけの本屋さんから。気分に合わせて「飾る為の本」を選んでみませんか?

それでは、良いお年を。

夏だ!夏休みだ!!虫だ!!! 今日のホニャララ by HICKEY 第3回

夏休みが始まりました。

「休み」とはいえ休みなのは子どもたちだけで、親にとっては憂鬱でしかない。

毎日何をして遊ばせよう。ご飯はどうするか。片付けても片付けても一瞬で散らかる家の中…

お父さん・お母さんお疲れ様です。大変ですが、程よく手抜きしながら乗り切りましょう。

 

突然ですが、「虫」は好きですか?

私は大の苦手です。虫が増える夏は恐怖でしかありません。

そのくせガーデニングは好きなもんだから、虫が出る度に奇声をあげて夫や隣家のおじいちゃんを助けを求め、家族は毎夏呆れ顔だ。

 

そんな母親の元で育っているのに、娘は虫が好き。

「お母さん。花と葉っぱがあるなら虫がくるのは当たり前なんだよ。」

と、一丁前に説教してきます。

幼稚園で数人の男の子が活動している「虫研究所」なるものにも時々混ぜてもらっているらしい。

散歩に行って両手一杯にダンゴムシを捕まえて嬉々として持ち帰ったり、カゴと網を持って外出したがる娘を見ると、虫捕りに付いて行かねばならない&家に虫を持ち込まれる事に恐怖を感じると同時に、好奇心に満ちたキラキラした目をとても愛おしく思う。

出来る範囲で一緒に楽しみたいと思って一緒に虫の本を開くと、ページをめくる度に出てくる虫の写真にゾワゾワ。

外で出会った虫の名前が知りたいと頼まれて画像検索なんてした日には、恐怖画像の羅列に「ヒーーーー!!」と大慌てで画面を閉じてしまう。

虫が苦手なお父さん・お母さん。そんな経験ありませんか?

虫が苦手でも子どもと一緒に楽しめる本はないか?と試行錯誤してきた中で見つけた本を今回はご紹介します。

 

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【子どもと一緒に読む】 

 

『昆虫とあそぼう』 とだこうしろう(戸田デザイン)

身近な昆虫との遊び方の本。虫が苦手でもOKなくらいの程よいリアル感のイラストで虫が描かれています。

情報量は多くないけれど、知りたいことのツボはきちんと押さえてある。

この本でセミの鳴き声の区別の仕方を知り、昨夏は娘とセミの鳴き声聞き分けクイズをよくやりました。

昆虫と「あそぶ」のがポイントです。

 

月刊かがくのとも 2019年7月号『むしたちのおとのせかい』 高梨琢磨・土原和子・福井利佐(福音館書店)

繊細で美しい切り絵で、虫が発する「音」の役割が紹介されていています。知らなかった事も多く、大人も勉強になります。

苦手な虫も、切り絵になるとウットリしてしまう不思議。

 

『クモの網 What a wonderful web!』船曳和代・新海明(INAX出版)

クモの巣の標本集。クモの種別にクモの巣と狩りの方法がまとめられています。

まず、クモの巣に標本があることにビックリ。

そして各々の標本に付けられた表題が「サインはX」とか「驚異のレコード盤」「破れた網タイツ」とか面白い。

巣を作成したクモの実物大写真も載っていますが、大抵のクモは小さいのでなんとか許容範囲。

クモの巣の多様さと美しさに驚き、子どもと一緒にクモの巣探しに出掛けたくなります。

 

『りったい 新 昆虫館』神谷正徳(小学館)

虫を作るペーパークラフト。親子で黙々と作りました。虫が立体でイメージできて楽しいです。

実際の色と異なる作りの虫もいますが、虫嫌いにとってはリアルすぎないくらいが可愛くて丁度いい。

 

 

【親が読む】

 

『センス・オブ・ワンダー』レイチェル・カーソン(新潮社)

生物学者である著者が大甥と過ごした日々を通して感じたことが綴られています。

以前からの愛読書でしたが、子育て中に再読して更に感銘を受けた本です。

大人になると多くの人が失ってしまう「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」について書かれた文の中にある言葉

『生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。』

との言葉に、苦手なことも出来るだけ子どもと共に楽しんでみようという気持ちにさせられました。

 

『フィールドサイエンスのすすめ』露木和男(早稲田大学出版部)

虫嫌いの私がいかに子どもに付き合うかをを試行錯誤していた時に出会った本。

元小学校の先生である著者の虫に対するあたたかい眼差しや自然を愛する心や、フィールドワークを通して子どもの好奇心をいかに盛り上げ育ていくかが書かれています。

この本を読んでいると、虫嫌いの自分も虫の神秘を見に虫探しに行きたくなってきます。

『恐怖とは、知らないという偏見を持つことから生まれるのです。』との著者の言葉に、自分もまずは虫を知る努力をしようと思い立った1冊です。

手に入りにくいので、図書館で。

 

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本ではないですが、六本木の21_21 design sightで開催中の『虫展-デザインのお手本』も親子で楽しみにしています。

多ジャンルのアーティストが虫から構想を得た作品を展示しているそう。

参加アーティストを見ただけでも、「虫が苦手でも絶対に面白いはず!」と確信しています。

 

虫が苦手なお父さん・お母さん。

夏休みに勇気を出して子どもと虫遊びしてみましょう!

 

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あなたの選ぶ10枚は何ですか? 今日のホニャララ by HICKEY 第2回

こんにちは。

もうすぐ梅雨ですね。

憂鬱になりがちな湿度の多い季節には、良い音楽でも聴いて気分だけでも晴れやかにいきたい。

ということで、今日のホニャララは音楽の話です。

 

昔からたまにやる1人遊びに、「ミュージックアルバム10枚しか残せないなら何にする?」というのがあります。

これが結構悩んで良い暇つぶしになる。

「5枚」になると更に難しく、「クー!これは残したい!!でもあれも!これも!!」と決めかねて無駄に1人苦悩してみたり、悩みすぎて電車を降り忘れたり。

その時々でセレクトが変わるのも自分なりに面白いのだけれど、必ず入る不変のアルバムもある。

その中でも特に思い入れが深いのが、Carole Kingの『Tapestry』(つづれおり)です。

 

 

子供の頃非常に怖がりだった私は、毎日ラジオを流しながら眠りに就いていました。

ある夜流れてきた曲がとても気に入ってメモに取り、早速次の日にお小遣いとメモを握りしめ、当時まだあった「貸レコード屋」へ。

まだ小4くらいで英語もよくわからず、「ユーゴットアフレンド」と書いたメモを自信無さげにお兄さんに見せたら、「今日はないけど、明日またおいで。」と。

次の日再びお店に行くと、お兄さんが自宅で録音してきてくれたカセットテープをくれたのです。

それがCarole King『Tapestry』との出会い。

それまでも家族の聴く洋楽は耳にしていましたが、自分の好みで選ぶ洋楽はこれが初めてでした。

 

それからというもの、お店に通ってはお兄さんに様々なジャンルのアーティストを教えてもらいました。

『Tapestry』を聴き込むうちに『You’ve Got A Friend』よりも『A Natural Woman 』が好きになったと私が言えば、同じ曲を歌うAretha Franklinを教えてくれてソウルの道へ入ったり。

新しい音楽との出会いにいつもワクワクしていた私。

いくつカセットテープをダビングしてもらっただろうか。

 

やがて中学生になった私は部活の厳しい練習で休みがなくなり、それと同時期に世の中にはCDが出始め。

やっと行ける時間が出来て久しぶりにお店を訪れた時には、時代に淘汰された貸しレコード屋さんはひっそり閉店していたのです。

お互い連絡先も知らず、お店の中だけでの付き合い。

それまでのお礼も言うことも叶わない状況に、自分の不義理が情けなくて泣きました。

あぁ。またあのお兄さんに会いたいな。

そんな思い出と共にある『Tapestry』は、いつまでも特別な1枚なのです。

 

この思い出が無かったとしても、きっとその存在を知った時から長く聴き続けていただろうと思える名盤です。

恋人や友人、人生を女性目線で綴ったキャロルの歌詞は、どれも前を向いているように私は感じる。

それがたとえ別れの歌詞であっても不思議と湿り気を感じさせず、そこから立ち上がり、未来を見ようとする女性を想像させるのです。

そしてシンプルで美しいメロディーの中には、ジャズやソウル、ロック等 多ジャンルの要素が然りげ無く取り入れられ、巧みに構成されています。

どのジャンルの音楽ファンにも長く愛される所以はここにあるのでしょう。

語り掛けるように優しく温かいのだけれど、絶妙な加減で枯れている唯一無二の魅力的な歌声や、強弱のタッチを見事に使い分けた表現力のあるピアノ。

それはまさにBitter & Sweetであり、どんな気分の時にもフィットします。

 

収録曲はCMでもよく使われていましたので、聴いた事のある人も多いのではないでしょうか

多数のアーティストがこぞってカバーするのも頷ける、捨て曲無しの色褪せない1枚です。

未聴の方は是非聴いてみて下さい。

 

 

 

 

書きながら、私の音楽人生に影響を与えてくれたもう1人のユニークな大人を思い出しました。

その話はまた今度。

 

あなたの選ぶ10枚は何ですか?

 

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今日の1冊「背守り 子どもの魔除け」LIXIL出版   by HICKEY  今日のホニャララ 第1回

 

はじめまして。hikkieです。

今月からsmoke booksさんでブログを書かせていただくことになりました。

ジャンル問わずの気の向くままのブログですが、よろしくお願いします。

4月。入園入学・進級・入社と、それぞれの新生活が始まりました。

みんなドキドキソワソワ。それを見守る親もドキドキソワソワ。

友達はできるかな?馴染めるかな?泣いてないかな?心配しだしたらきりが無いのが親心です。

我が家には幼稚園児がいますが、入園時はやはりドキドキソワソワしました。

我慢できずに木陰に隠れて市原悦子のように覗いたり。

ふと辺りを見渡すと、似た様な悦子達が木陰や柵の側にワラワラいるじゃないの。

「わかる!わかるよ!!」と肩を叩いてみんなで一杯飲み交わしたい気分になりました。

子を思う気持ちはみんな一緒。でもずっと見守るわけにはいかない。

そこで思いついたのは「背守り」です。

 

 

「背守り」とは、日本の古いおまじない。

子どもが無事に成長する事が今よりも容易でなかった時代に、

我が子の健やかな成長を祈って着物の背中に魔除けの刺繍をしたものです。

私は着物が好きなので背守りの存在は知っていましたが、

より深く知ったのは昔LIXILギャラリーで観た「背守り 子どもの魔除け展」でした。

 

背守りの他に様々な子どもの為の魔除けを集めたその展示では、そ

の実物と共に石内都さんの写真が展示されていました。

「ひろしま」に代表されるように、彼女の写真はその「もの」が持つ背景・時間・関わった人の感情までもを写し出す。

夜なべしてひと針ひと針刺したであろう母達の姿や、その切なる思いとぬくもりが展示からひしと伝わってきました。

世の母の偉大さと慈悲深さに胸を打たれたと同時に、私自身がこれから幼子を育ててゆく覚悟を得たのを覚えています。

 

それをふと思い出し、我が子の新生活の充実を祈って入園時には背守りを付けることに。

気持ちがあれば図案は何でもOKとし、私は娘の好きな猫を最初に付けました。

下着に付けたので痒くならないよう、玉留めはあえて外側に。

 

 

 

 

「背中の猫ちゃんが守ってくれるからね。大丈夫だよ。」

と娘に伝えていましたが、子供にとっては随分心強かったようですし、

私にとっても安心材料になりました。

TV番組の「はじめてのおつかい」(大好き!)では音声用のマイクを入れる為の袋をお母さんが手作りし、

「お守り」と称し子どもに持たせていますが、不安になった時は不思議とどの子も「お守りがあるから大丈夫。」

と言ってみたり触ったりするのです。

お守りは想像以上に小さな子どもにとって心の拠り所になるみたい。

うちの子は幼稚園で辛いことがあった時も、「でも背中のお守りがあるから大丈夫だったよ。」と話してくれたこともありましたし、

今年の4月も付けてとリクエストされました。

 

おまじないみたいなものだから、縫わずにアイロンワッペンを付けたり、なみ縫い数針だけでもOK。

願いを込めながら付けてみてください。可愛いアクセントにもなりますしね。

調べてみたら、最近は可愛い背守りの本も何冊か出ているようです。

私は堀川波さんの「かわいい背守りししゅう」が気になる…。

 

では、こんな感じではじまったブログですが、これからよろしくお願いします。

 

【今日の1冊】

「背守り 子どもの魔除け」 LIXIL出版

 

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