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連載コラム

21時間目 しゃべり方が思い出せない 「余熱」川崎長太郎 午後3時のカトウ塾 加藤亮太

 穏やかに暮らしている。このまま死ぬのかもしれない。どう暮らしたって。死ぬわ。

 そして、終わっている。私は、とうとうつまらない男になり果ててしまった。

趣味のレパートリー増大が、止まらないのだ。

 

 小6以来、趣味を持つことを、私は恥だと思って生きてきました。

 

小6。私は切手収集を趣味にしていました。いつの間にか無くなってしまったが、当時、金町のイトーヨーカドーが入っていた建物の二階に切手専門店があり、通っていました。また、目白にまで足を延ばすことや、フェスのような専用の催しにも参じたこともありました。目白でピンとこない人は、お手数ですが「目白 切手」で検索してください。

 専門店の店員は、99.99パーセント、白髪交じりの高齢男性でした。お爺様たちの有する知識の専門性の高さたるや、ビギナーの私なんぞ鼻くそであろうと思われ、私は畏怖していました。その震えが伝わっていたのでしょう。彼らのうちの99.99パーセントは、私を慈しむように見守ってくれたものでした。

 

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