「わたりおわったら また もとに もどります」
そうかーと思う。
渡り終わったらまた元に戻るんだ。
この時のはしたろうの顔もちゃーんと「もとにもどる」顔なのだ。
「はしのはしたろう」は、ピンク色で青い足の生えた、なんと橋だ。
橋が主人公。
彼は「うーん」とからだを伸ばして、
こっちとあっちにからだを掛けて、
みちみちで困ってる動物たちを助けてくれる。
私が特にお気に入りなのは、
どったんどったん走ってきた「やま」が
「わたしは きょうからはしまである。やまではなくて しまであーる」
って言いながらざっぱーんと海に入っちゃうところだ。
絵本のいいところは、少し考えれば
「バカだよな」「でもありえないよな」と思うことを
確とやり遂げてしまうところ。
ちょっとも疑わず、堂々として。
かめさんや、かばくんが、きもちよさそうにねむっているところを
「じゃまだな」「おきてくれ」とか言うんでなく、
きもちよく寝かせたまま「うーん」とのびる。
私も「うーん」と唸る。
で、はしたろうは十全に活躍するんですね。
いやー、そうなんだ。
面白いんだけど、すごいなあ。
このあいだ、著者であるつぼいさんにお会いすることができた。
ともこさんいわく、スモークブックス中山店の時からのお馴染みさんなんだそうだ。
つぼいさん、はしたろうに引けを取らず、とてもとてもやさしい人だった。
スモークブックスで開催中の「はしのはしたろう絵本原画展」は8/18(日)まで。