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あれ、私だ、とおもう。
すばらしい抽象画に出合う時、私のどこかはいつもそう思っている。
あれ今こうまんだって言いました?
またこれは違う、ということだけが分かるということがよくある。正解がわからないのに、これではない、ということだけを確信している。
ええ高慢でいいです。
「これから現前してくる世界の予感」小松崎広子
ごくっと息をのむ。
この感覚は、おそらく私たちが生まれるずっと前のこと、ひいては人間なんかが生まれる前から、ずっとそこに、あらわれていたのではないか。
そう、ここは静かだ。
しずかで、まるであなたみたいで、やすらぐ。
私は黙っている時の方がおしゃべりなのだ。
YONA Megumi